高血圧とはどんな状態?
みなさんは、ご自身の血圧がどれくらいか、ご存知ですか?
高血圧を指摘されたことがある方もいるかもしれません。
<高血圧の基準>
日本人の高血圧患者は約4300万人以上といわれています。
「平成23年国民健康・栄養調査」によると、
血圧が140mmHg以上の人は男性36.9%、女性27.4%となり、
日本人の約3人に1人が高血圧であるということです。
また、2人に1人は治療を受けていないと言われており、
血圧を正しくコントロールできている人は少ないということになります。
今回は、高血圧とはどんな状態なのか?を詳しく見ていきましょう。
血圧は何のためにあるのか?
血圧とは「血管の壁に及ぼす血液の圧力」のことです。
血管の中には血液が流れており、身体のすみずまで血液を送るため、血管は心臓から足先まで全身に張り巡らされています。
重力に逆らって血液が流れる必要もあり、体のどこにでも、どんな姿勢でも一定量の血液を送り込むため、心臓は常に圧力をかけながら血液を押し出しています。それが血圧です。
・最高血圧…心臓が縮む時の血圧
・最低血圧…心臓がゆるむときの血圧
血圧は、血液の「量」と「流れにくさ」で決まる
血圧は2つの要素で数値が変わります。
ひとつは心臓から繰り出される血液の総量(心拍出量)
もうひとつは末端の血管での血液の流れにくさ(抹消血管抵抗)です。
このどちらかの数値が高いと血圧は上昇します。
また、1日の中でも大きく変動し、目覚めから日中にかけて高くなり、睡眠中は低くなります。
血圧が上がる日常生活の行動
日常生活の中で血圧を上げるのはこんなときです。
- 起床時…起床時は体を活動させようとして交感神経が働き、血圧UP
- 食事…食事の最中は血圧UP、食後に低下
- ストレス…会議や打ち合わせ、人間関係などで緊張やストレスが加わると血圧UP
- 入浴…熱いお風呂に入ったり、浴室と脱衣所の温度の差が大きい場合は血圧の変動が大きくなる
- 排便…排便中にいきむと血圧UP、その後下がる
- 喫煙…タバコは抹消血管が収縮するため血圧UP
普段から血圧が高い人は、日常生活の中で血圧上昇が心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす引き金になる場合があるので、これらの行動でむやみに血圧を上げないよう注意が必要です。
意図的に横になったり、深呼吸をして安定させるようにするのがおすすめです。
血圧が高いとなぜ危険なのか
高血圧には自覚症状がありません。
頭痛や眩暈、動悸を感じることもありますが、ほとんどの場合は自覚症状がありません。
その上、高血圧が続くと、動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞など、命に関わる病気の危険性が高まります。
動脈硬化で血管が硬くボロボロになり、血液がスムーズに流れないことで、より一層高血圧が悪化する悪循環にもなってしまいます。
他の病気を発症してからでは遅いので、自覚症状のないうちからでも、1年に一回、40代以降なら年に2回ほどの血圧測定をおすすめします。
すでに高い方は血圧計を購入して、ご自宅でも定期的に計測するとよいでしょう。
高血圧治療ポイントは「生活習慣の改善」と「薬物治療」
高血圧を改善するには、まずは「生活習慣の改善」が大切です。
- 肥満の解消
- 運動不足の解消
- 塩分を適正量にする
- 節煙、禁煙
- 飲酒量の適正化
- ストレス対策
これらを行なっても効果が出にくい場合、重症の高血圧の場合は、薬物療法の同時進行も大切になります。
次回、高血圧を改善する食事療法、運動療法、生活療法について具体的にご紹介していきます。