1 体重が変わらなくても「中身」が変わっている?

「若い頃と体重が変わっていないから大丈夫」その安心が、実は落とし穴かもしれません。加齢とともに、私たちの体では活動量の低下やホルモンバランスの変化により、筋肉が減り、その隙間を埋めるように脂肪が増えるサルコペニア肥満(筋肉減少型肥満)の進行が懸念されます。
見た目は変わらなくても、体内では「燃焼工場」である筋肉が減り、代謝がスムーズにいかない体へと変化している可能性があるのです。検診結果の数値だけでなく、体組成(筋肉と脂肪のバランス)に目を向けることが、40代からの健康戦略の第一歩です。
2 「食べないダイエット」が招く、筋肉の分解

焦って極端な食事制限をすると、体はエネルギー不足を補うために、脂肪だけでなく「筋肉」も分解してエネルギー源にしようとします。血糖値を維持するために筋肉(アミノ酸)を壊して糖を作る「糖新生」という仕組みが優先的に働いてしまうためです。
特に40代以降は、意識的に対策をしないと、脂肪よりも先に大切な筋肉が失われやすい傾向にあります。筋肉を削って目先の体重を落とすことは、結果として「より太りやすく、疲れやすい体」を招くリスクを高めてしまうのです。
3 今日から始める、効率的な「貯筋」の3ルール

忙しいビジネスマンでも取り入れやすい、筋肉のコンディションを整える食事のポイントは3つです。
• タンパク質は1日3食摂取する
一度の食事で利用できるタンパク質量には目安があります。夕食でのまとめ食いではなく、朝・昼・晩と分散して摂ることで、1日を通じて筋肉の合成をサポートする環境を整えやすくなります。
• 代謝を助ける微量栄養素をセットでとる
タンパク質を筋肉に変えるには、代謝をサポートする栄養素が不可欠です。タンパク質の代謝に関わるビタミンB6(青魚や鶏肉など)や、細胞の生まれ変わりに関与する亜鉛(牡蠣や赤身肉など)を意識することで、食べたものを効率よく「貯筋」へとつなげることが期待できます。
• 適切なエネルギー(糖質)を味方につける
極端な糖質不足は、筋肉の分解を加速させる要因になります。未精製の穀物(玄米や大麦など)から適度なエネルギーを補給し、筋肉を保護しながら脂肪を燃やすサイクルを作りましょう。
4 10年後の自分のために、今日から食べよう「健康投資」食材

「忙しくて自炊ができない」という時でも、コンビニやスーパーでプラス1品選ぶだけで、あなたの「貯筋」をサポートできる優秀食材です。
• 【タンパク質を補う】ゆで卵・ギリシャヨーグルト 吸収効率が良く、朝食や間食に手軽にタンパク質をプラスできます。
• 【代謝をスムーズにする】サバ缶・ミックスナッツ 筋肉の合成を助けるビタミンB6や、分解を抑制するEPA、代謝を支えるマグネシウムが豊富です。
• 【筋肉を保護する】もち麦おにぎり・バナナ 血糖値を安定させながら、筋肉を削る「糖新生」を防ぐための良質なエネルギー源になります。
筋肉を維持することは、単なる体型維持に留まりません。脳への血流を促し、日々の仕事のパフォーマンスや活力を支えるための、最も確実な「自己投資」の一つです。
「貯金」と同じように、「貯筋」も早めの対策が将来の大きな差になります。まずは今日の帰り道、どれか1つを手に取ることから始めてみませんか?10年後の自分をデザインするための「設計図」として、ぜひ活用してください。
